【ヴィンテージ】バザーレスサバイバル調整日記
2019年3月30日 Magic: The Gathering拝啓
皆様お久しぶりです、たれ太です。
先日のMF京都の競技ヴィンテージにて、バザーレスサバイバルというほんのちょっとだけ変わったデッキでSEに残る事ができました。
で、何でそんなデッキを作ったのかという質問がありましたので、その作製経緯を綴っておこうと思い、久々に日記を更新しました。
ただ、その前にまず謝罪を。
前回のGP静岡(レガシー)の記事で、後編を書くと言っていたのですが、あの後色々とあって書くタイミングを逃してしまいました…大変申し訳ございません。
(一応結果だけ記載すると1日目6-2、2日目4-3の10-5でした。元々使う予定だったグリコンではしょにぽんしそうな当たりだったので、少なくともURデルバーを使ったのは間違っていなかったと思います。)
で、GP静岡が終わった後は何をしていたかと言うと、また以前の様にヴィンテージでデッキを組んで回しておりました。
ただ変わった点としては回すデッキがコントロールからサバイバルになった事です。
元々ツールボックス系のデッキが好きな自分としてはサバイバルに興味があり、タイミング的に冬の賞与が出る事から覚悟を決めてバザーを4枚購入して昨年の年末にバントサバイバルを作成しました。
(その時丁度ラヴィニアの情報が出て、サバイバルならラヴィニアを上手く運用できるのでは?と思ったのも理由の一つです。)
そんなこんなで年明けからは関東のヴィンテージ大会にサバイバルを持ち込んでいったのですが、初めて使った時の感想は「このデッキ、凄い…」でした。
元々ヴィンテでは怪しいデッキを持ち込んでしかいなかったせいで感覚が麻痺ってた所もあるのですが、ホロウと蔦によるブン回りがありつつも粘り強く戦えるデッキであり、サイドから墓地対策を入れられてもドレッジ程致命的にならず、何より今まで苦労していたエルドラージやコントロールに十二分に戦えるのが凄く印象に残りました。
(ちなみに今までの自分のデッキでヴィンテのエルドラージに勝った回数は0です。)
デッキのスペックが高い事もあって今まで負け越し常連だった私がちょこちょこ勝ち越しできるようになり、献身でラヴィニアと拘留代理人が来てからは逆説相手にも強くなって更なる飛躍を…という思いがあったのですが、その思いは即座に砕かれる事となりました。
まず墓地対策に関してですが、元々ヴィンテではドレッジをメインターゲットとして貪欲な罠や黒力戦、墓掘りの檻が採用されていたのですが、代わりに蔦やスクイーをまとめて追放できるサージカルを採用するデッキが見られる様になりました。
更にジェスカイコン相手には摩耗/損耗を増量され、MUD相手はサイドからワムコが投入され、逆説もラヴィニアへの対処手段を入れるようになり…と、どんどんとサバイバルへのガードが固く。
またそれに加え、バントサバイバルを回してる内にデッキの構造的に幾つか気になる点も出てまいりました。具体的には
1.ラヴィニアが青白の為、思っていた以上に出しづらい
2.ホロウに信頼がおけない
3.バザーを複数枚引くと悲しみを背負う
の3つです。
1つ目に関しては土地基盤が緑ベースになるサバイバルで青白のラヴィニアが出しづらいのは至極当たり前の話で(しかも土地の4枚は色マナどころか無色マナも出ないバザー)、Tundraを入れたり裂け岩の扉を入れたりと色々と試してはみたのですが、より事故が増えたという悲しい結果になりました。
2つ目に関してホロウはバザーやサバイバルがあれば実質0マナ4/4の超スペックな生物なのですが、何分アーティファクトを持っている為にサイド後は置物破壊で簡単に割られます。
もっと悲惨なのはダクでパクら拝借される事で、これが原因で赤青系のコントロール相手に負ける事が多々ありました。
既存のサバイバルの構成だと4/4を一方で落とせるクリーチャーが居ないのですよね…
またバザーも強いカードである事は間違いないのですが、ことサバイバルに関しては非常に扱いが難しいカードだと実感致しました。
初手に複数枚あって嬉しいドレッジとは異なり、サバイバルではブン回りするには初手に1枚は欲しいけど、それ以上は往々にしてきて欲しくない事が多いです。
加えて蔦・ルートワラ・スクイー等が居ないと必然的にハンドを減らす事になるので、盤面が停滞すると何も仕事をしない土地になりがちなのも気になりました。
という事で既存のバントサバイバルの構成のネックな点が色々と見えてきた為、色々とオリジナリティを入れてみようと思い立ちました。
とはいえ私が0から組むと9割9分凄惨な結果になるので、とりあえずバザーを生かせる更に生かせるような方向でチューニングをしてみる事にしました。
まずパッと浮かんだのはブリッジヴァインです。
モダンのブリッジヴァイン宜しく恐血鬼や黄泉橋を採用し、更にガルガドンを採用。
バザーで落として嬉しい生物が増えますし、打点が高くオース対策にもなるガルガドンの存在はヴィンテでも脅威です。
これはナイスな案なのではと思い組もうとした所、途中でとある事に気付きました。
「あれ?黄泉橋を入れる位に墓地に依存するならドレッジで良くない…?」
墓地対策をされてもヘイトベア戦略や蔦の素出し等で乗り越えられるのがサバイバルの良い所なのに、墓地でしか働かないカードを増やして墓地対策がクリティカルになるのはせっかくのサバイバルの利点を投げ捨ててる事に。
これならドレッジ回した方が間違いなく強いので、この案は即ボツになりました。
次に浮かんだのはティムールカラーのサバイバルで、「ワムコが辛いならダクで奪えば良いじゃない」と言う雑な発想から生まれたものです。
ダクは+能力が蔦・ホロウ・ルートワラと相性が良く、更に相手のダクで奪われたホロウをこっちのダクで取り返す事も出来ると中々良いカードでした。
またゴブリンのクレーター掘りや鋳塊かじり等、赤の優良なクリーチャーを採用できるのも魅力的でした。
ただ問題としてはダクが緑の絡まない3マナなので出すのに手間がかかる事と、ティムールカラーに完全にフィットするマナクリが存在しない事が気がかりでした。
教主は赤マナを出せず、死儀礼は黒マナの能力を抜きにしても土地の少ないヴィンテではマナの供給が若干不安定。
そうなるとバッパラになるのですが、教主や死儀礼と異なりいざという時にクロックとして寄与しないのが厳しいのではという思いがありました。
爪鳴らしの神秘家が1マナだったらなーと滅茶苦茶な事を思いつつ、この箇所の解決策が浮かばなかった為この案は一度保留にする事にしました。
そして次に考えたのは赤緑サバイバルです。
モダンの赤黒ホロウワンの様に炎刃の達人や炎跡のフェニックスを採用し、よりバザーを強く使えるようにしつつも墓地への依存を比較的抑えた構成に。
特に炎刃が居るとバザーが実質パワーを2~3上げる土地になり、パワー4以上になればフェニックスの獰猛条件も達成。
赤緑と言うカラーの為、ワムコや荒廃鋼相手をどうしようかというのに悩んでいたのですが、破壊的一撃という懐かしのカードをサイドに投入する事で対処する事に。
アンリコも使えませんが、逆にパイロで消されるカードが無いとメリットに捉え、森知恵などを増量する形でアドを稼ぐカードを増やしました。
3月の晴れる屋のヴィンテ神トライアルが終わってから2週間程調整をしており、赤緑サバイバルの調整が終わったのが3月16日。
次の日が東京MTGのヴィンテージの大会だった為、早速持ち込んで…と思ったのですが、ちょっとばかり不安があったので、ディスコードのヴィンテ鯖で対戦をお願いして回して見る事にしました。
その結果気づいたのが…このデッキ驚くほど弱い!
確かに炎刃が居るとバザーが腐らないのですが、逆にバザーやサバイバルが無いと炎刃が弱過ぎるという問題が発生(当たり前)。
後炎跡のフェニックスの赤マナが捻出しづらく、それに加えて早いコンボデッキ相手にはより一層無力なデッキとなってしまいました。
逆説はまだファクト対策すればギリ何とかなる(かもしれない)のですが、TPSやDoomsday、グリセルシュート相手はもう無理ゲーの域です。
冷静に考えてみれば当たり前田のクラッカーなのですが、時既に遅し。
悲しくもこのデッキも没となりました。
そうなると翌日のデッキをどうするかという事に。
選択肢としては残っているのはティムールサバイバルですが、先程も述べたように既存のマナベースだとダクを出すのがきつい…
どうしようかと思いながら日本酒を飲み、しばらく考えた後。
「よし、バザーを抜きましょう。」
元々マナベースがきついのはバザーと言う単独でマナが出ない土地があるから。
ならそこをフェッチや色マナに置き換えればダクは出せるでしょ理論です。
正直バザーの爆発力を失うのはサバイバル的にどうなのという思いがあって今までバザーやホロウの枚数に触れてこなかったのですが、その時は酔ってたせいか「こんなに(マナ基盤が)苦しいのならバザーなど要らぬ!」とサウザーみたいな心境になっており、この様な凶行に走る事になりました。
そうなるとホロウもただの5マナ4/4となってしまう事が多くなる為、サバイバルルートで必要な1枚を残して抜く事に。
マナクリは今回はとりあえず教主を採用し、空いた枠にはMUDとコントロールに効きそうな燃えがら蔦を採用しました。
===デッキリスト===
土地(16)
4《吹きさらしの荒野》
2《樹木茂る山麓》
2《沸騰する小湖》
3《Savannah》
3《Tropical Island》
1《Volcanic Island》
1《森》
1《露天鉱床》
1《不毛の大地》
クリーチャー(24)
4《貴族の教主》
4《日を浴びるルートワラ》
2《漁る軟泥》
3《断片無き工作員》
3《ゴブリンのクレーター掘り》
1《Elvish Spirit Guide》
1《ゴブリンの太守スクイー》
4《復讐蔦》
1《虚ろな者》
1《最後のトロール、スラーン》
呪文(20)
3《ダク・フェイデン》
3《稲妻》
1《森の知恵》
4《適者生存》
2《無のロッド》
2《燃えがら蔦》
1《Black Lotus》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Emerald》
1《Mox Ruby》
1《Ancestral Recall》
サイドボード(15)
2《紅蓮破》
2《鋳塊かじり》
2《破壊的一撃》
2《狼狽の嵐》
4《トーモッドの墓所》
3《貪欲な罠》
============
安定性は高くなりましたが代償として爆発力を失ってるので、起きてから見直した時「これ本当に勝てるのかしら…」感が満載だったのですが、それ以上調整する時間も無かったので負け越し覚悟でそのまま突貫しました。
東京MTG ヴィンテージ
1戦目:URデルバー ×〇〇
2戦目:オース 〇×〇
3戦目:願い型ショーテル ○○
4戦目:パラドックスオース 〇××
…あら?思ったより行ける?
もっとボコられると思っていたのですが、3-1と中々良い結果に。
回していてキープ基準もプレイの方向性も前よりも判断しやすくなり、自分の性に合っているなと言うのを実感しました。
そういう訳で自信が出てきた事から、MF京都はバザーレスサバイバルを持ち込む事に。
しかしそこまでは良かったのですが、ここからドンドンアカン方向へと舵を切っていってしまいます。
教主はやっぱり赤マナを出ないのが気がかりなので死儀礼を使う(分かる)
↓
死儀礼を入れるならBayouとJetも入れたい(分かる)
↓
黒が入るならレオヴォルドも入れよう(まだ分かる)
↓
ルーターでかつ絢爛達成したらアドになるリックス・マーディの歓楽者とか強そう(?)
…
===デッキリスト===
土地(17)
4《吹きさらしの荒野》
4《樹木茂る山麓》
3《Taigah》
3《Tropical Island》
2《Bayou》
1《森》
クリーチャー(23)
4《死儀礼のシャーマン》
3《日を浴びるルートワラ》
1《漁る軟泥》
4《リックス・マーディの歓楽者》
3《ゴブリンのクレーター掘り》
1《Elvish Spirit Guide》
4《復讐蔦》
1《虚ろな者》
2《トレストの死者、レオヴォルド》
呪文(20)
3《ダク・フェイデン》
2《稲妻》
1《森の知恵》
4《適者生存》
4《燃えがら蔦》
1《Black Lotus》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Emerald》
1《Mox Ruby》
1《Mox Jet》
1《Ancestral Recall》
サイドボード(15)
4《紅蓮破》
2《無のロッド》
2《無垢への回帰》
4《トーモッドの墓所》
3《貪欲な罠》
============
…気づいたら狂気を感じるリストに。
改めて見るとツッコミ所満載ではあるのですが、正直な話結構いけると思ってました。
そしてMF京都本日。
まずは土曜のヴィンテージ大会に参加。
ここで調子が良ければ明日もそのまま行こうと思っていたのですが…
土曜ヴィンテージ 13時の部
1戦目:bye
2戦目:墓荒らし ××
3戦目:逆説ストーム ××
土曜ヴィンテージ 16時30分の部
1戦目:BGデプス ×〇〇
2戦目:逆説ストーム 〇××
3戦目:死の影 ××
…はい、見事にボロボロでした。もうデッキ相性とかメタとか以前の問題ですね。
ちなみにこのデッキを毎度おなじみやすこう先生に見てもらった&フリプしてもらった所、「既存の(バントサバイバル)よりも速いデッキに対しての対策が無いのと、サバイバルへの依存性が高めなのが気になる。これだとサバイバルが置けなかった時、4cレオの劣化みたいなデッキになっちゃう(意訳)」との事。確かに仰る通りですわ…
後燃えがら蔦は逆説相手に強いと思っていたのですが、これ1枚だけでは足りないというのを実感しました。
さてどうしたものか…可能ならこの紙束4cサバイバルで出たかったのですが、ここまで色々と凄惨ですと構成を変えざるを得ません。
リックス・マーディの代わりに腹心を入れる…?と一瞬だけ思いますが、それやったらそれこそジャンドか墓荒らしで良いじゃないという結論になりそうだったので没に。
ここはもう割り切って普通のバントサバイバルを使う…?と思ったのですが、その際にバザー抜きのバントサバイバルを試していないなとふと。
ダクの様な優秀なルーター要因が浮かばなかったので構築を見送っていたのですが、少なくとも以前よりラヴィニアを安定して出せそうですし、悪くなさそうと思い組んでみる事にしました(尚考え始めたのは当日の朝5時の模様)。
===デッキリスト===
土地(18)
4《吹きさらしの荒野》
4《樹木茂る山麓》
3《Savannah》
3《Tropical Island》
1《森》
1《露天鉱床》
1《不毛の大地》
1《カラカス》
クリーチャー(25)
4《貴族の教主》
2《日を浴びるルートワラ》
1《漁る軟泥》
3《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》
2《クァーサルの群れ魔道士》
1《ガドック・ティーグ》
1《Elvish Spirit Guide》
1《ラムナプの採掘者》
2《秋の騎士》
2《聖遺の騎士》
4《復讐蔦》
1《虚ろな者》
1《刻み角》
呪文(17)
3《精神的つまづき》
2《剣を鍬に》
1《森の知恵》
4《適者生存》
2《石のような静寂》
1《Black Lotus》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Emerald》
1《Mox Pearl》
1《Ancestral Recall》
サイドボード(15)
2《精神壊しの罠》
2《悔恨する僧侶》
2《封じ込める僧侶》
2《自然の要求》
2《無垢への回帰》
1《無のロッド》
1《拘留代理人》
3《貪欲な罠》
============
細かい所を煮詰められなかったのですが、少なくとも昨日のデッキよりは間違いなく強そうに感じました。
という事で朝に持ってなかったパーツを買った後、競技ヴィンテージに参加。
以下簡単な対戦レポになります(ただ記憶が怪しい所があるので間違っている箇所があるやもしれません)。
1回戦目:Doomsday(添削さん) ×〇〇
1G:ラヴィニアを出すもダリチュDoomsdayからラヴィニアを越えられるパイルを組まれてマニアックで負け。
2G:思考囲いから刻み角を捨てられ更にソープロがバレるも返しで精神壊しをトップし、Doomsday後にキャストされたアンリコを消して勝ち。
3G:ストーニーで独楽やマナファクトを止めて、ラヴィニアが無事完走。
2回戦目:逆説ストーム ○○
1G:ラヴィニアで速度を落としてからレリカリーで不毛と露天をサーチして土地を割り、そのまま殴り切り
2G:ストーニーと不毛で速度を落として、ラムナプで不毛ぐるぐる耐性を整えて勝ち。
3回戦目:ジェスカイコントロール ×〇〇
1G:1ターン目ダクで手札を整えられて、何とか倒すもその後メンターヤンパイヤンパイと続いて負け。
2G:サバイバルが通ったので、貪欲な罠をケアしつつ蔦を墓地に送ってリアニして勝ち。
3G:檻を置かれるもレリカリーを出してビートダウンして勝ち。
4回戦目;ID
尚IDした方は私が2015年のGP京都の1回戦目で対戦した方でした。
こんな所でお会いするとは予想外でした…
3-0-1でスイスラウンド2位
SE1:逆説ストーム(O-しまさん) ××
1G:1ターン目から逆説を撃たれ手札を増やされ、そこからストーニーをWillで弾かれメンターが着地してそのまま負け。
2G:悲しみのダブマリ、そして置かれる無情のアレク。そのままメンターにシバかれて負け。
という事で結果はSE一没でございました。負けた試合大体メンターに分からされてますね…しかし試合数が少なかったとはいえ、このデッキで大きな大会のSEに残れたのはとても嬉しく思います。特にバザーが無くてもサバイバルは戦えるというのが実感できたのが一番の収穫でした。
勿論今回は4回しか対戦していないので試行回数としては不足しておりますし、MUDやオースと言ったデッキに当たっていないのでそういったデッキとの相性等も考慮しないといけませんが、少なくとも更に強くなれるというポテンシャルを感じました。
という事でしばらくはこのバザーレスサバイバルを調整し、6月のヴィンテ神挑戦者決定戦には完成形を持っていけるように頑張りたいと思います。
(尚9割9分無いとは思いますが、灯争大戦で虚ろな者からアーティファクト成分を抜いたクリーチャーが収録されたらこの限りではございません。)
敬具
皆様お久しぶりです、たれ太です。
先日のMF京都の競技ヴィンテージにて、バザーレスサバイバルというほんのちょっとだけ変わったデッキでSEに残る事ができました。
で、何でそんなデッキを作ったのかという質問がありましたので、その作製経緯を綴っておこうと思い、久々に日記を更新しました。
ただ、その前にまず謝罪を。
前回のGP静岡(レガシー)の記事で、後編を書くと言っていたのですが、あの後色々とあって書くタイミングを逃してしまいました…大変申し訳ございません。
(一応結果だけ記載すると1日目6-2、2日目4-3の10-5でした。元々使う予定だったグリコンではしょにぽんしそうな当たりだったので、少なくともURデルバーを使ったのは間違っていなかったと思います。)
で、GP静岡が終わった後は何をしていたかと言うと、また以前の様にヴィンテージでデッキを組んで回しておりました。
ただ変わった点としては回すデッキがコントロールからサバイバルになった事です。
元々ツールボックス系のデッキが好きな自分としてはサバイバルに興味があり、タイミング的に冬の賞与が出る事から覚悟を決めてバザーを4枚購入して昨年の年末にバントサバイバルを作成しました。
(その時丁度ラヴィニアの情報が出て、サバイバルならラヴィニアを上手く運用できるのでは?と思ったのも理由の一つです。)
そんなこんなで年明けからは関東のヴィンテージ大会にサバイバルを持ち込んでいったのですが、初めて使った時の感想は「このデッキ、凄い…」でした。
元々ヴィンテでは怪しいデッキを持ち込んでしかいなかったせいで感覚が麻痺ってた所もあるのですが、ホロウと蔦によるブン回りがありつつも粘り強く戦えるデッキであり、サイドから墓地対策を入れられてもドレッジ程致命的にならず、何より今まで苦労していたエルドラージやコントロールに十二分に戦えるのが凄く印象に残りました。
(ちなみに今までの自分のデッキでヴィンテのエルドラージに勝った回数は0です。)
デッキのスペックが高い事もあって今まで負け越し常連だった私がちょこちょこ勝ち越しできるようになり、献身でラヴィニアと拘留代理人が来てからは逆説相手にも強くなって更なる飛躍を…という思いがあったのですが、その思いは即座に砕かれる事となりました。
まず墓地対策に関してですが、元々ヴィンテではドレッジをメインターゲットとして貪欲な罠や黒力戦、墓掘りの檻が採用されていたのですが、代わりに蔦やスクイーをまとめて追放できるサージカルを採用するデッキが見られる様になりました。
更にジェスカイコン相手には摩耗/損耗を増量され、MUD相手はサイドからワムコが投入され、逆説もラヴィニアへの対処手段を入れるようになり…と、どんどんとサバイバルへのガードが固く。
またそれに加え、バントサバイバルを回してる内にデッキの構造的に幾つか気になる点も出てまいりました。具体的には
1.ラヴィニアが青白の為、思っていた以上に出しづらい
2.ホロウに信頼がおけない
3.バザーを複数枚引くと悲しみを背負う
の3つです。
1つ目に関しては土地基盤が緑ベースになるサバイバルで青白のラヴィニアが出しづらいのは至極当たり前の話で(しかも土地の4枚は色マナどころか無色マナも出ないバザー)、Tundraを入れたり裂け岩の扉を入れたりと色々と試してはみたのですが、より事故が増えたという悲しい結果になりました。
2つ目に関してホロウはバザーやサバイバルがあれば実質0マナ4/4の超スペックな生物なのですが、何分アーティファクトを持っている為にサイド後は置物破壊で簡単に割られます。
もっと悲惨なのはダクで
既存のサバイバルの構成だと4/4を一方で落とせるクリーチャーが居ないのですよね…
またバザーも強いカードである事は間違いないのですが、ことサバイバルに関しては非常に扱いが難しいカードだと実感致しました。
初手に複数枚あって嬉しいドレッジとは異なり、サバイバルではブン回りするには初手に1枚は欲しいけど、それ以上は往々にしてきて欲しくない事が多いです。
加えて蔦・ルートワラ・スクイー等が居ないと必然的にハンドを減らす事になるので、盤面が停滞すると何も仕事をしない土地になりがちなのも気になりました。
という事で既存のバントサバイバルの構成のネックな点が色々と見えてきた為、色々とオリジナリティを入れてみようと思い立ちました。
とはいえ私が0から組むと9割9分凄惨な結果になるので、とりあえずバザーを生かせる更に生かせるような方向でチューニングをしてみる事にしました。
まずパッと浮かんだのはブリッジヴァインです。
モダンのブリッジヴァイン宜しく恐血鬼や黄泉橋を採用し、更にガルガドンを採用。
バザーで落として嬉しい生物が増えますし、打点が高くオース対策にもなるガルガドンの存在はヴィンテでも脅威です。
これはナイスな案なのではと思い組もうとした所、途中でとある事に気付きました。
「あれ?黄泉橋を入れる位に墓地に依存するならドレッジで良くない…?」
墓地対策をされてもヘイトベア戦略や蔦の素出し等で乗り越えられるのがサバイバルの良い所なのに、墓地でしか働かないカードを増やして墓地対策がクリティカルになるのはせっかくのサバイバルの利点を投げ捨ててる事に。
これならドレッジ回した方が間違いなく強いので、この案は即ボツになりました。
次に浮かんだのはティムールカラーのサバイバルで、「ワムコが辛いならダクで奪えば良いじゃない」と言う雑な発想から生まれたものです。
ダクは+能力が蔦・ホロウ・ルートワラと相性が良く、更に相手のダクで奪われたホロウをこっちのダクで取り返す事も出来ると中々良いカードでした。
またゴブリンのクレーター掘りや鋳塊かじり等、赤の優良なクリーチャーを採用できるのも魅力的でした。
ただ問題としてはダクが緑の絡まない3マナなので出すのに手間がかかる事と、ティムールカラーに完全にフィットするマナクリが存在しない事が気がかりでした。
教主は赤マナを出せず、死儀礼は黒マナの能力を抜きにしても土地の少ないヴィンテではマナの供給が若干不安定。
そうなるとバッパラになるのですが、教主や死儀礼と異なりいざという時にクロックとして寄与しないのが厳しいのではという思いがありました。
爪鳴らしの神秘家が1マナだったらなーと滅茶苦茶な事を思いつつ、この箇所の解決策が浮かばなかった為この案は一度保留にする事にしました。
そして次に考えたのは赤緑サバイバルです。
モダンの赤黒ホロウワンの様に炎刃の達人や炎跡のフェニックスを採用し、よりバザーを強く使えるようにしつつも墓地への依存を比較的抑えた構成に。
特に炎刃が居るとバザーが実質パワーを2~3上げる土地になり、パワー4以上になればフェニックスの獰猛条件も達成。
赤緑と言うカラーの為、ワムコや荒廃鋼相手をどうしようかというのに悩んでいたのですが、破壊的一撃という懐かしのカードをサイドに投入する事で対処する事に。
アンリコも使えませんが、逆にパイロで消されるカードが無いとメリットに捉え、森知恵などを増量する形でアドを稼ぐカードを増やしました。
3月の晴れる屋のヴィンテ神トライアルが終わってから2週間程調整をしており、赤緑サバイバルの調整が終わったのが3月16日。
次の日が東京MTGのヴィンテージの大会だった為、早速持ち込んで…と思ったのですが、ちょっとばかり不安があったので、ディスコードのヴィンテ鯖で対戦をお願いして回して見る事にしました。
その結果気づいたのが…このデッキ驚くほど弱い!
確かに炎刃が居るとバザーが腐らないのですが、逆にバザーやサバイバルが無いと炎刃が弱過ぎるという問題が発生(当たり前)。
後炎跡のフェニックスの赤マナが捻出しづらく、それに加えて早いコンボデッキ相手にはより一層無力なデッキとなってしまいました。
逆説はまだファクト対策すればギリ何とかなる(かもしれない)のですが、TPSやDoomsday、グリセルシュート相手はもう無理ゲーの域です。
冷静に考えてみれば当たり前田のクラッカーなのですが、時既に遅し。
悲しくもこのデッキも没となりました。
そうなると翌日のデッキをどうするかという事に。
選択肢としては残っているのはティムールサバイバルですが、先程も述べたように既存のマナベースだとダクを出すのがきつい…
どうしようかと思いながら日本酒を飲み、しばらく考えた後。
「よし、バザーを抜きましょう。」
元々マナベースがきついのはバザーと言う単独でマナが出ない土地があるから。
ならそこをフェッチや色マナに置き換えればダクは出せるでしょ理論です。
正直バザーの爆発力を失うのはサバイバル的にどうなのという思いがあって今までバザーやホロウの枚数に触れてこなかったのですが、その時は酔ってたせいか「こんなに(マナ基盤が)苦しいのならバザーなど要らぬ!」とサウザーみたいな心境になっており、この様な凶行に走る事になりました。
そうなるとホロウもただの5マナ4/4となってしまう事が多くなる為、サバイバルルートで必要な1枚を残して抜く事に。
マナクリは今回はとりあえず教主を採用し、空いた枠にはMUDとコントロールに効きそうな燃えがら蔦を採用しました。
===デッキリスト===
土地(16)
4《吹きさらしの荒野》
2《樹木茂る山麓》
2《沸騰する小湖》
3《Savannah》
3《Tropical Island》
1《Volcanic Island》
1《森》
1《露天鉱床》
1《不毛の大地》
クリーチャー(24)
4《貴族の教主》
4《日を浴びるルートワラ》
2《漁る軟泥》
3《断片無き工作員》
3《ゴブリンのクレーター掘り》
1《Elvish Spirit Guide》
1《ゴブリンの太守スクイー》
4《復讐蔦》
1《虚ろな者》
1《最後のトロール、スラーン》
呪文(20)
3《ダク・フェイデン》
3《稲妻》
1《森の知恵》
4《適者生存》
2《無のロッド》
2《燃えがら蔦》
1《Black Lotus》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Emerald》
1《Mox Ruby》
1《Ancestral Recall》
サイドボード(15)
2《紅蓮破》
2《鋳塊かじり》
2《破壊的一撃》
2《狼狽の嵐》
4《トーモッドの墓所》
3《貪欲な罠》
============
安定性は高くなりましたが代償として爆発力を失ってるので、起きてから見直した時「これ本当に勝てるのかしら…」感が満載だったのですが、それ以上調整する時間も無かったので負け越し覚悟でそのまま突貫しました。
東京MTG ヴィンテージ
1戦目:URデルバー ×〇〇
2戦目:オース 〇×〇
3戦目:願い型ショーテル ○○
4戦目:パラドックスオース 〇××
…あら?思ったより行ける?
もっとボコられると思っていたのですが、3-1と中々良い結果に。
回していてキープ基準もプレイの方向性も前よりも判断しやすくなり、自分の性に合っているなと言うのを実感しました。
そういう訳で自信が出てきた事から、MF京都はバザーレスサバイバルを持ち込む事に。
しかしそこまでは良かったのですが、ここからドンドンアカン方向へと舵を切っていってしまいます。
教主はやっぱり赤マナを出ないのが気がかりなので死儀礼を使う(分かる)
↓
死儀礼を入れるならBayouとJetも入れたい(分かる)
↓
黒が入るならレオヴォルドも入れよう(まだ分かる)
↓
ルーターでかつ絢爛達成したらアドになるリックス・マーディの歓楽者とか強そう(?)
…
===デッキリスト===
土地(17)
4《吹きさらしの荒野》
4《樹木茂る山麓》
3《Taigah》
3《Tropical Island》
2《Bayou》
1《森》
クリーチャー(23)
4《死儀礼のシャーマン》
3《日を浴びるルートワラ》
1《漁る軟泥》
4《リックス・マーディの歓楽者》
3《ゴブリンのクレーター掘り》
1《Elvish Spirit Guide》
4《復讐蔦》
1《虚ろな者》
2《トレストの死者、レオヴォルド》
呪文(20)
3《ダク・フェイデン》
2《稲妻》
1《森の知恵》
4《適者生存》
4《燃えがら蔦》
1《Black Lotus》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Emerald》
1《Mox Ruby》
1《Mox Jet》
1《Ancestral Recall》
サイドボード(15)
4《紅蓮破》
2《無のロッド》
2《無垢への回帰》
4《トーモッドの墓所》
3《貪欲な罠》
============
…気づいたら狂気を感じるリストに。
改めて見るとツッコミ所満載ではあるのですが、正直な話結構いけると思ってました。
そしてMF京都本日。
まずは土曜のヴィンテージ大会に参加。
ここで調子が良ければ明日もそのまま行こうと思っていたのですが…
土曜ヴィンテージ 13時の部
1戦目:bye
2戦目:墓荒らし ××
3戦目:逆説ストーム ××
土曜ヴィンテージ 16時30分の部
1戦目:BGデプス ×〇〇
2戦目:逆説ストーム 〇××
3戦目:死の影 ××
…はい、見事にボロボロでした。もうデッキ相性とかメタとか以前の問題ですね。
ちなみにこのデッキを毎度おなじみやすこう先生に見てもらった&フリプしてもらった所、「既存の(バントサバイバル)よりも速いデッキに対しての対策が無いのと、サバイバルへの依存性が高めなのが気になる。これだとサバイバルが置けなかった時、4cレオの劣化みたいなデッキになっちゃう(意訳)」との事。確かに仰る通りですわ…
後燃えがら蔦は逆説相手に強いと思っていたのですが、これ1枚だけでは足りないというのを実感しました。
さてどうしたものか…可能ならこの
リックス・マーディの代わりに腹心を入れる…?と一瞬だけ思いますが、それやったらそれこそジャンドか墓荒らしで良いじゃないという結論になりそうだったので没に。
ここはもう割り切って普通のバントサバイバルを使う…?と思ったのですが、その際にバザー抜きのバントサバイバルを試していないなとふと。
ダクの様な優秀なルーター要因が浮かばなかったので構築を見送っていたのですが、少なくとも以前よりラヴィニアを安定して出せそうですし、悪くなさそうと思い組んでみる事にしました(尚考え始めたのは当日の朝5時の模様)。
===デッキリスト===
土地(18)
4《吹きさらしの荒野》
4《樹木茂る山麓》
3《Savannah》
3《Tropical Island》
1《森》
1《露天鉱床》
1《不毛の大地》
1《カラカス》
クリーチャー(25)
4《貴族の教主》
2《日を浴びるルートワラ》
1《漁る軟泥》
3《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》
2《クァーサルの群れ魔道士》
1《ガドック・ティーグ》
1《Elvish Spirit Guide》
1《ラムナプの採掘者》
2《秋の騎士》
2《聖遺の騎士》
4《復讐蔦》
1《虚ろな者》
1《刻み角》
呪文(17)
3《精神的つまづき》
2《剣を鍬に》
1《森の知恵》
4《適者生存》
2《石のような静寂》
1《Black Lotus》
1《Mox Sapphire》
1《Mox Emerald》
1《Mox Pearl》
1《Ancestral Recall》
サイドボード(15)
2《精神壊しの罠》
2《悔恨する僧侶》
2《封じ込める僧侶》
2《自然の要求》
2《無垢への回帰》
1《無のロッド》
1《拘留代理人》
3《貪欲な罠》
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細かい所を煮詰められなかったのですが、少なくとも昨日のデッキよりは間違いなく強そうに感じました。
という事で朝に持ってなかったパーツを買った後、競技ヴィンテージに参加。
以下簡単な対戦レポになります(ただ記憶が怪しい所があるので間違っている箇所があるやもしれません)。
1回戦目:Doomsday(添削さん) ×〇〇
1G:ラヴィニアを出すもダリチュDoomsdayからラヴィニアを越えられるパイルを組まれてマニアックで負け。
2G:思考囲いから刻み角を捨てられ更にソープロがバレるも返しで精神壊しをトップし、Doomsday後にキャストされたアンリコを消して勝ち。
3G:ストーニーで独楽やマナファクトを止めて、ラヴィニアが無事完走。
2回戦目:逆説ストーム ○○
1G:ラヴィニアで速度を落としてからレリカリーで不毛と露天をサーチして土地を割り、そのまま殴り切り
2G:ストーニーと不毛で速度を落として、ラムナプで不毛ぐるぐる耐性を整えて勝ち。
3回戦目:ジェスカイコントロール ×〇〇
1G:1ターン目ダクで手札を整えられて、何とか倒すもその後メンターヤンパイヤンパイと続いて負け。
2G:サバイバルが通ったので、貪欲な罠をケアしつつ蔦を墓地に送ってリアニして勝ち。
3G:檻を置かれるもレリカリーを出してビートダウンして勝ち。
4回戦目;ID
尚IDした方は私が2015年のGP京都の1回戦目で対戦した方でした。
こんな所でお会いするとは予想外でした…
3-0-1でスイスラウンド2位
SE1:逆説ストーム(O-しまさん) ××
1G:1ターン目から逆説を撃たれ手札を増やされ、そこからストーニーをWillで弾かれメンターが着地してそのまま負け。
2G:悲しみのダブマリ、そして置かれる無情のアレク。そのままメンターにシバかれて負け。
という事で結果はSE一没でございました。負けた試合大体メンターに分からされてますね…しかし試合数が少なかったとはいえ、このデッキで大きな大会のSEに残れたのはとても嬉しく思います。特にバザーが無くてもサバイバルは戦えるというのが実感できたのが一番の収穫でした。
勿論今回は4回しか対戦していないので試行回数としては不足しておりますし、MUDやオースと言ったデッキに当たっていないのでそういったデッキとの相性等も考慮しないといけませんが、少なくとも更に強くなれるというポテンシャルを感じました。
という事でしばらくはこのバザーレスサバイバルを調整し、6月のヴィンテ神挑戦者決定戦には完成形を持っていけるように頑張りたいと思います。
(尚9割9分無いとは思いますが、灯争大戦で虚ろな者からアーティファクト成分を抜いたクリーチャーが収録されたらこの限りではございません。)
敬具
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